遥かなる時の行方  

いつもの空を、ふと見上げて Ⅲ

  岩満 志朗

みなさん はじめまして
今日から このクラスへ編入いたしました

あのー よっ よろしくお願いいたします


      じゃあ 君 
      そこの一番初めの席の
      空いてる席が君の席だ、
      いいかね


           どこから来たんだ?
           この学校の 先生の子らしいぞー  
           
   
    <  ざわ ざわ ざわー >







    おい、今日はどうだった?
    新しいクラスは どうだ

    三年おきの転校で、  どうだ? 
    色んなところにも住めて、友達もできて

    んー ? 


はっ はい 大丈夫です 頑張ります


    ほう 何を頑張るつもりだ?


おとうさんに 恥をかかせてはならない んでー
えーっと

    答えになってない 何を頑張るんだ?

    まーいい

    同じ中学校だから
    学校ではお父さん ではない
 
    分かったかあ?


はい せんせい 、、 あっ おとうさん


    学校とはな、学問を学ぶところでは、ないぞー
    いずれ社会人になるわけだから

    まず、規律正しい生活に慣れることと
    集団生活に慣れること
    困った人がいたら、助けること

    勉強? そんなものは 
    自分で教科書見れば 分かるだろ?


あのー じゃあ どうして先生が教えるの?


    お前が 学ぶことは その学問じゃない
    その先生の教え方 そして
    先生がどんな思いで 教えておられるのかを
    学びなさい

    学校とは みんなを、よーく観察する場所だ、!

    精一杯 新しいクラスで 
    学ぶべきことを、自分で探すんだ

    しかしなあ 赤点なんか出したら、
    覚悟しろよ、!
    
    もちろん 喧嘩も だめだ、!



はい


次の日の 午後、なんだか 気に食わない同級生と
いきなり、けんかして、打撲を負わす、


そして その日の夜 
父は、何一つ言わず ただ背中を丸めて、靴を履いた  

きっと、謝りに、、 





ごめんね おとうさん 嫌な思いを いっぱい いっぱい させて、
最後に交わした 電話の中の声

     「 うわん われよっー 」

きっと、がんばれよー って 
あー あの時に帰ってくれば良かった
 
結局、危篤にも間に合わずそして、お別れもできないままに逝っちゃったよ
いつもの空を、ふと見上げて






 「 遥かなる時の行方 」


ご両親を どうぞ どうぞ お大切に、!











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Posted by  岩満 志朗

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